加圧浮上法とは
加圧浮上法は、排水処理において重要な物理的分離技術の一つで、水より比重の軽い物質を浮上させる方法です。そのため、この手法は、特に油脂や微細な固形物、藻類などの浮遊物質を効率的に除去するために用いられています。食品加工、石油化学、製紙業をなどの産業で多くとして導入されています。同じく物理分離術として語られる凝集沈殿法がありますが、こちらは水より比重が重いものを沈殿させる物理的分離技術です。
加圧浮上の原理
加圧浮上法は、水中に溶解した空気を利用して浮遊物質を分離する技術です。まず、加圧タンク内で水と空気を混合し、高圧下で空気を水に溶解させます。これにより形成された溶解空気を減圧することで、微細な気泡が生成されます。これらの気泡は、排水中の固形物や油脂に付着し、浮力を生じさせることで水面に浮上させます。浮上した固形物は、スクレーパーなどで効率的に回収されます。ここで重要なのは、気泡が浮遊物質に付着することで、物理的な浮力が付加され、分離が促進される点です。
加圧浮上のメリットとデメリット
メリット
・高い除去効率
加圧浮上法は、微細な浮遊物質や油脂を効果的に除去する能力があります。特に「フロック」と呼ばれる大きな粒子の集合体を形成することで、浮遊物質の除去が効率的に行われます。
・迅速な処理速度
他の水処理方法と比較して、迅速に処理を完了することができ、運用効率が向上します。これは、微細な気泡によって形成されたフロックが迅速に浮上し、容易に回収できるためです。
・柔軟な適応性
さまざまな水質条件や処理要求に対応できるため、多岐にわたる用途に適しています。
デメリット
・高い初期コスト
加圧浮上設備の導入には、他の設備と比べて初期投資が必要となります。
・運用が困難
バッチ運転(一定の時間間隔で運転と停止を繰り返す)が出来ないため「凝集剤」や「ph調整剤」の調整が難しいといわれています。
・処理時の悪臭
脱水ケーキが排出されるまでの工程の中で悪臭が強い傾向があるため労働衛生状の管理が必要です。
加圧浮上に必要な凝集剤
加圧浮上法において、凝集剤は重要な役割を果たします。凝集剤は、微細な固形物を凝集させて大きなフロックを形成し、浮上を助けます。これにより、気泡がフロックに効率的に付着し、浮上が促進されます。使用される凝集剤には、以下の種類があります。
・無機凝集剤
塩化アルミニウムや硫酸アルミニウムなどが一般的であり、コストパフォーマンスに優れています。
・有機凝集剤
ポリアクリルアミドなどの高分子凝集剤は、少量で高い効果を発揮し、凝集速度の向上に寄与します。
凝集剤の選択は、水質条件や処理目標に応じて慎重に行う必要があります。最適な凝集剤を選択することで、処理効率を最大化することが可能です。
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