技術コラム

油水分離とは油分を含む排水に潜むリスクとは?

プラント イメージ

「配管が頻繁に詰まる」「処理施設から悪臭がする」「行政からの排水基準をクリアするのが難しい」といったお悩みはありませんか?

これらの問題は、排水中の油分が原因で引き起こされている可能性があります。今回は、油水分離の必要性、具体的な方法、そして安定稼働を実現するためのポイントを解説します。

油分を含む排水が引き起こす3つの深刻な問題

造業やサービス業など、油分を排出する事業所は少なくありません。油分を適切に処理しないと、以下のような問題が発生します。

  1. 設備の機能不全とコスト増
    排水中の油分は、配管やポンプ内部に付着・蓄積し、詰まりや閉塞の原因となります。これにより、設備故障や生産ラインの停止リスクが増大。また、油分が後段の処理槽に流入すると、処理効率が低下し、薬品やメンテナンスにかかるコストが増加します。
  2. 悪臭の発生と近隣トラブル
    排水槽に溜まった油分(スカム)は腐敗しやすく、不快な悪臭を発生させます。これは、作業環境の悪化だけでなく、近隣住民からの苦情につながる可能性も否定できません。
  3. 環境汚染と法規制違反
    油分は、水質汚濁の重要な指標であるBOD、COD、SSなどを上昇させます。適切な油水分離を行わないと、排水基準をクリアできず、行政からの指導や罰則を受けるリスクがあります。

これらの問題を未然に防ぎ、設備の安定稼働と環境保全を両立させるためには、油水分離が不可欠です。

油水分離を成功させるための3つのポイント

油水分離とは油分を含む排水に潜むリスクとは? | 排水処理装置・システム.com

最適な油水分離を実現するには、単に装置を導入するだけでなく、以下のポイントを押さえることが重要です。

専門家によるトータルサポート
設備の選定から運転管理、メンテナンスまで、一貫して専門家のサポートを受けることで、トラブルを未然に防ぎ、コスト削減にもつながります。

適切な前処理
排水中の大きな固形物や浮遊物を事前に除去することで、後段の油水分離装置の負担を減らし、処理効率を高めます。

最適な凝集剤の選定
排水中の油分やSSの特性を分析し、最適な凝集剤を選びます。これにより、フロック形成が促進され、分離効率が飛躍的に向上します。

日本技建のサービスをご紹介

お悩み相談センター

お悩み相談センター

無償で水質分析・試験: 排水水質や凝集剤の選定を無償で診断。
メーカー問わず対応: 40年以上のノウハウで、メーカーを問わず設備を診断します。
設備のリプレイスを無償相談: 「スペースが限られている」「メンテナンス費用を抑えたい」といったお悩みに、最適な解決策をご提案します。
>>詳細はこちらから

自動再生型スクリーン

油水分離とは油分を含む排水に潜むリスクとは? | 排水処理装置・システム.com

水産加工業の排水処理における人手不足とコスト削減の課題を解決します。

独自技術の自動再生スクリーンは、手作業での除去が必要だったウロコや魚卵などの夾雑物を自動で除去。これにより、作業効率が大幅に向上し、人件費とメンテナンスコストを削減します。

広範囲のSSに対応:独自の「IKロンメッシュ」ろ布が、魚鱗から粘液状物質までしっかり捕捉。
ノンストップ運転:自動洗浄機能により、頻繁な手作業が不要となり、安定した処理を実現。
簡単設置:複雑な設定や工事は不要。電源につなぐだけで即座に稼働できます。
>>詳細はこちらから

    凝集剤の選定から承ります!

    診断サービス

    無償で水質分析・試験: 排水水質や凝集剤の選定を無償で診断。
    メーカー問わず対応: 40年以上のノウハウで、メーカーを問わず設備を診断します。
    設備のリプレイスを無償相談: 「スペースが限られている」「メンテナンス費用を抑えたい」といったお悩みに、最適な解決策をご提案します。
    >>詳細はこちらから

    油水分離の基本的な方法と種類

    油水分離には、物理的な方法と化学的な方法があります。

    ・物理的な方法

    ・重力分離

    重力分離は油脂と水の比重差を利用した最も基本的な方法です。油脂は水よりも比重が軽いため、静置することで自然に水面に浮上し、分離することができます。水分離槽、プレート式油水分離装置などが用いられます。

    ・遠心分離

    遠心力を利用して油水分離を促進する方法です。高効率な分離が可能ですが、動力コストが高くなる傾向があります。ディスク型遠心分離機やデカンター型遠心分離機などが用いられます。

    ・膜分離

    精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いて油分を分離する方法です。高い分離精度が得られますが、膜の目詰まり対策が必要となります。MF膜 (精密ろ過膜) やUF膜 (限外ろ過膜) などが使用されます。

    ・MF膜 (精密ろ過膜)

    主に0.1~10μm程度の粒子を分離する膜で、比較的大きな油滴の分離に適しています。

    ・UF膜 (限外ろ過膜)

     主に0.01~0.1μm程度の粒子を分離する膜で、より微細な油滴の分離に適しています。

    化学的な方法

    凝集分離

     凝集剤を用いて微細な油滴を凝集させ、重力分離や浮上分離を促進する方法です。PAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド、高分子凝集剤などが使用されます。

    ・PAC(ポリ塩化アルミニウム)

     無機高分子凝集剤の一種で、加水分解によって正電荷を帯びたアルミニウムポリマーを生成し、負電荷を帯びた油滴を中和・凝集させます。

    ・硫酸バンド

     鉄系の無機凝集剤で、PACと同様に油滴を中和・凝集させます。

    ・高分子凝集剤

     ポリアクリルアミド系など、様々な種類があり、油滴の性状に合わせて選定することで高い凝集効果が得られます。

    浮上分離

    加圧浮上法など、空気を利用して油滴を浮上させて分離する方法です。溶存空気浮上装置 (DAF) などが用いられます。

    ・加圧浮上法

    加圧タンク内で水に空気を溶解させ、減圧することで微細な気泡を発生させ、油滴を浮上させる方法です。

    ・溶存空気浮上装置 (DAF)

     加圧浮上法を利用した装置で、効率的に油分を分離することができます。

    油水分離装置はじめ水質改善は日本技建にお任せください!

    OS型 製品画像

    排水処理装置・システム.comを運営する日本技建では油水分離はじめ、豊富なラインナップと水質改善の油水分離装置(オイルスキマー)を初めとした製品をご提案いたします。

    抜群の浮上油捕獲力と優れた脱油性、耐久性を誇り、あらゆる種類の浮上油を効率的に除去。設置も簡単で、耐食性にも優れたオイルスキマーです。
    当社の独自の「ろ布」により浮上油をしっかり吸着、IKロンメッシュを採用した立体構造の植毛浸布ベルトの特性について紹介しています。

    ①抜群の浮上油捕獲力
    ベルトに自然生成する水膜によって、1本1本の植毛部分に浮上油が捕獲されます。糸状、鱗片状、粘液質等、あらゆる形態の浮上油を高効率で除去します

    ②優れた脱油性とベルト復元力
    ベルトは機械全体に一定方向の傾斜をもたせており、油除去性能を持続させることができます。スムーズな圧縮で、効率的な脱油が行われ、長時間の使用でも劣化がないため、耐久性に優れています

    >>お問合せはこちら

    一覧に戻る

    Contact

    047-460-2711
    見積依頼・
    技術相談
    カタログ・
    技術資料