技術コラム

曝気槽の仕組みと運転管理

曝気槽

曝気槽の不調が引き起こす問題点

排水処理工程において曝気槽で微生物が有機物を分解し、排水を浄化します。しかし、この曝気槽の運転管理が不適切だと、様々な問題が発生します。

  • 処理効率の低下と基準超過
    微生物の働きが鈍り、BOD(生物化学的酸素要求量)やSS(懸濁物質)が十分に除去できなくなります。その結果、排水基準を超過してしまうリスクが高まります。
  • 後段への影響と運用コストの増加
    曝気槽の不調は、後段の沈殿槽にも影響します。微生物がうまく沈降せず、汚泥が上澄み水とともに流出するバルキング現象が発生し、全体的な処理能力が低下します。これにより、余分な薬品の投入やメンテナンスが必要になり、運用コストが増加します。
  • 設備の故障
    微生物の異常繁殖や汚泥の流動性低下は、ポンプや配管の詰まりを引き起こし、設備故障の原因となります。

曝気槽の運転管理における重要ポイント

1. 酸素供給量の最適化

微生物が有機物を効率的に分解するには、十分な酸素が必要です。酸素が不足すると微生物の活動が低下するため、散気管や撹拌装置を通じて、汚水全体に均一に酸素を供給することが不可欠です。

2. 水温管理

微生物の活性は水温に大きく左右されます。特に夏場の高温は微生物に「熱中症」のようなダメージを与え、活動を鈍らせます。適切な水温(一般的には30℃前後)を維持するために、冷却設備の導入や運転時間の調整を検討する必要があります。

3. MLSS濃度の適正管理

MLSS(浮遊性混合液固形物)濃度は、曝気槽内の微生物量の指標です。濃度が低すぎると処理能力が不足し、高すぎると流動性が悪化します。BOD負荷に応じて最適な濃度を維持することが重要です。

4. pH・ORP管理

pHとORP(酸化還元電位)は、微生物が最も働きやすい環境を保つための指標です。これらの値を適切に管理することで、硝化・脱窒反応を制御し、窒素除去の効率を向上させます。

凝集剤選定から汚泥脱水機まで!日本技建のサービスをご紹介

曝気槽の安定稼働は、前処理と後処理の効率化によっても大きく改善できます。

汚泥脱水機「IK-Sludge Dehydrator」

汚泥脱水機 アイキャッチ画像

曝気槽の不調による沈降分離の課題を解決します。日本技建の汚泥脱水機は、高い脱水率と固形物回収率を誇り、含油汚泥や難分解性汚泥の処理にも対応可能です。シンプルな構造でメンテナンスも容易なため、沈殿槽の負担を軽減し、運用負荷を大きく削減します。

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SS除去装置・凝集ろ過装置

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SS除去装置「IKスクリーン・スキマー」や凝集ろ過装置「IKフロックスクリーン」は、曝気槽に流入する前の段階でSSや粘性物質を効率的に除去します。これにより、曝気槽への負荷が大幅に軽減され、処理能力と安定性が向上します。

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高分子凝集剤「アイケイフロック」

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高分子凝集剤は、SSの除去や汚泥の脱水効率を向上させるために不可欠な薬品です。日本技建の「アイケイフロック」は、排水の特性に応じて最適なタイプを選定でき、強力なフロックを形成することで、沈降分離や脱水効率を飛躍的に高めます。

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曝気槽の運転管理や排水処理の課題は、日本技建におまかせください

日本技建

日本技建は、40年以上にわたり排水処理の課題に取り組んできた専門企業です。独自の技術と豊富な製品群で、都市下水から各種産業排水まで、幅広い分野の課題解決に貢献しています。

曝気槽の運転管理や、排水処理全般でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽に日本技建までご相談ください。

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